配偶者の死後、後を追うように亡くなることを栄養学的に考えてみた
世の中には科学的には証明されていないけれど、何か相関があるんじゃないかと思えるような事象が色々と存在していますよね。
例えば
「長年連れ添った配偶者を亡くすと、日をおかずに残された方が後を追うように亡くなってしまう」
という話。
ドラマや小説でもよくあるシチュエーションですし、現実世界でも耳にしたことがあると思います。
そんな、一見すると科学的には証明できそうにないことを、栄養学的な観点から考えてみた!という全く筋肉とは関係ない話です(笑)
実際にストレスは体内のビタミンを消費することが分かっています。
また、ビタミンには体内の免疫システムを調整する役割もあるため、ビタミンが不足すると免疫の低下にも繋がります。
今回は、そんな栄養学的な観点から、世の中の疑問について触れていきます。
ストレスはビタミンを消費する
動物には生まれながらにして、ストレスに対抗する力が備わっています。
例えば、サバンナの大草原をイメージしてください。
天敵のライオンに追われて逃げているシマウマには、想像以上のストレスがかかっています。そりゃもう生死がかかっているのですから。
そのストレスを放置してしまうと、シマウマの体を蝕んで、ライオンに食べられてしまう前に死んでしまいます。
そのため、動物の体内ではストレスに対抗するために、怒涛の勢いでビタミンCが生成され、ストレスに対処しているのです。
同じように、人間もストレスに晒された時には、体内で大量のビタミンCを消費してストレスに対抗するのです。
しかし、動物と違う点は、人間は自分でビタミンCを生成することができない、ということ。
つまり、食べ物から摂取するしかないのです。
ストレス以外にも
・タバコを1本吸うとレモン半個分のビタミンCが消費される
・ヒヤッとした瞬間にレモン4個分のビタミンCが消費される
とも言われています。激しい運動もビタミンを消費する原因の一つです。
ストレスに囲まれている現代社会では、慢性的なビタミン不足に陥っている可能性が十分に考えられます。
人のストレスにはレベルがある
現代社会はストレスに囲まれており、ストレスを避けて生きていくことは至難の技です。
あなたにとって、どんなことがストレスですか?
朝の満員電車、仕事上のミスや人間関係、家庭でのトラブルですか?
僕はコロナウイルスでジムが閉鎖したことがストレスです(笑)
ストレスの原因は様々ですが、実は人が感じるストレスには強度が存在しており、原因よってストレス度合いが異なるというのです。
表を見ていただくと分かるように、ストレスレベルが一番強いのは、「配偶者の死」です。
恋人との喧嘩でも、隣人の騒音でも、タンスの角に足の小指をぶつける、でもないのです。
もちろん、「ジムに行けない」はランク外(そもそも調べていない…)
僕はまだ26歳で配偶者はいませんが、相当なストレスであることは容易に想像ができます。
大切な人を失う辛さ、これが人間にとって最も強いストレスの原因なのです。
ストレスと免疫の関係
さて、ストレスが体内のビタミンを消費するということは理解いただけたと思います。
他にもビタミンは様々な役割を持っており、免疫システムの調整も役割の一つです。
そうすると、こんなことが考えられます。
「ストレス過多で体内のビタミンが消費されると、ビタミン不足になる。ビタミンが不足すると、免疫システムが弱くなり、病気になりやすくなる」
つまり、
「配偶者を亡くすという、最も強いストレスを感じると、体内で大量のビタミンが消費され、免疫システムが弱まる。結果として、残された方は体を壊して後を追うように亡くなってしまう」
という強引な仮説が立てられます。
しかし、ニューサウスウェールズ大学の研究チームが、ストレスによって白血球の状態がどうなるかを調べていたのです。
その研究によると、配偶者を亡くすという強いストレスに晒されると、免疫システムの要であるT細胞の活性が著しく低下したことが分かったのです。
(ビタミンがスンナリ分かる本, 丸本康生)
他にも国立がん研究センターによると、日常的にストレスがあると自覚しているグループは、そうでないグループと比べて、ガンに罹患するリスクが11%上昇することも分かっています。
(Song H, et al., Scientific Reports 7(1), Oct 2017 https://doi.org/10.1038/s41598-017-13362-8)
ストレスだけが直接的な原因で病気になる訳ではありませんが、多少は関係していると考えれます。
もし、周りにストレスを抱えている人がいれば、相談にのってあげることも大事ですが、ビタミンのサプリメントをプレゼントするのことが良いかもしれません(笑)
ビタミンは免疫システムを調整してくれる役割を持っています。
加工食品ばかりのカロリーリッチで栄養プアな食生活ではなく、栄養リッチな食生活を意識して、病気にならない体作りを心がけましょう!